「アイツが急に俺の前からいなくなって。俺はもう、誰も好きにならないと決めていた」


それだけ、アイツが俺の前からいなくなった事がショックだったと…。


裏切られた気持ちでいっぱいだったと話す先輩の背中。

その背中は、凄く寂しげに見えて。あたしは抱きつきたい衝動にかられた。が…

そんな勇気はなくて。先輩の背中をただ見つめていた。


すると、背を向けていた先輩がクルリとあたしの方を向いた。


ドキン…。先輩と視線が重なり心ごと捕まれてしまうような感覚に襲われるよ…。