顔を両手で覆いながら、しゃがみこんでいたら。


「大丈夫?」と優しい男の子の声が聞こえてきた。


誰なんだろうと、両手で顔を覆ったまま見てみた。


そこには、二カッて笑う同じクラスの永井 亮太くんだった。


どうしよう。あたし…永井くんにしがみついてしまったんだ…。


顔から火が出るぐらい恥ずかしい。


余り話した事がない永井くん。だけど、性格は明るくて。クラスの中でカッコよくて人気がある事だけは知っていた。


そんな永井くんにしがみついていたなんて。あたし…なんて事したんだろう。

全然、美空じゃないのに。恥ずかしすぎるよ。ホント。


尚も固まったままのあたし。

永井くんは、立てる?と、あたしの腕を軽く握ると、優しく立たせてくれた。