屋上を後にしても、あたしの涙は止まらなかった。


下の階へと続く階段には、ポトリポトリと涙の跡が残っていく。


誰もいない廊下をふらつきながら歩いた。そして見えてきた教室。そこは、あたし達のクラス1一1の教室だ。


きっとそこには、まだ美空がいるはず。

そう思って、教室のドアを開けた。


そこには、涙でぼやけてちゃんと見えなかったけど、スラリとした後ろ姿が見えた。


きっと美空だ。そう思ったあたしは、そのまま美空の背中にしがみついた。


「美空ぅ-ー!!」


瞬間、美空の体がビクンと固まった。
どうして固まるの?どうして何も言わないで黙ったままでいるの?

何か言ってよ…美空…。


そう言おうとしたら…。


「ヒカリ…あんた…なにやってるの?」


やっと聞こえてきた美空の声は、思っていた場所とは違う。

あたしの、後ろからだった…。