「せ…先輩!?」
思わずスックと立ち上がった。また…会えた…。それが凄く嬉しかった。
そんなあたしに
「おっ、今度はちゃんと立てたな」
と、二カッと笑ってくれた。
その笑顔がドキッとなるぐらいカッコいい。
だけど、それより…もしかして先輩、あたしの事を…覚えていてくれていたんですか?
「あ、あの…その…あたしの事…」
ドキドキしながら聞いてみた。顔は鏡で見なくても分かる。真っ赤だ…。
それに、泣いていたから、きっと酷い顔なんだろう。
だけど、こんなチャンスは、きっと二度とないと思った。
だから、顔の事は気にしないで聞いた。
先輩が、あたしの事を覚えていてくれたなら…それだけで、凄く嬉しいから…。