「先輩…!」
鈍い音と共に、地面に崩れ落ちる永井くんの姿。
先輩が、永井くんを殴ったんだ…。
「お前…ヒカリに二度と近づくんじゃねぇ!!」
ゾクリとくる形相で永井くんを見下ろす先輩。
永井くんの唇からは、微かに血が滲んでいた。
「イッテェ…なんで殴んだよ!?」
「お前がヒカリにキスしようとしたからじゃねぇーかよ!!」
「そんなの…あんただって同じじゃねぇーのかよ!!」
あんただって、元カノと会って…田崎さんを不安にさせてんじゃねぇよと叫ぶ永井くんに、先輩は、グッと言葉を飲み込んだ。
「なんで元カノと2人で会ったりするわけ?田崎さんがいくらいいって言っても、普通は会わないんじゃねぇの」
「そんな事…お前に言われなくても分かってるよ」
「じゃ、なんで会うんだよ!?」