「ごめんね、なんか…あたしばっかり話しちゃって」
「別に。そんな事、気にしなくていいよ」
永井くんは、そう言うと、しばらく俯いて黙り込んでしまった。
どうしたのか、顔を覗いてみると
「ヤッパリ…あの時、無理やりにでも捕まえておけばよかったな…」
「へっ?」
何の事と聞くあたしの手を、永井くんがギュウと握った。
えっ!?なに?これ…。
戸惑っていると、永井くんが顔を上げて、あたしの顔をジッと見つめた。
「えっ?永井くん…?」
「なんで…俺じゃないの?」
えっ?なに?なにこれ…分かんないよ…。
永井くんの言ってる意味が…分かんないよ…。