「だから…ヒカリちゃん。お願い。きょうだけ、今だけ…直哉をあたしに貸して」



「優花…やめろよ…俺は、お前とはもう…」



「分かりました…」



あたしの言葉に、先輩は、本気で言っているのかと、怒っているように見えた。


ここに美空がいたら、きっと完璧に怒っているだろう。


『あんたなにやってんの!?２人を２人っきりにして、どうすんのよ!』ってね…。



分かってるよ。あたしも…こんな事、したらいけないって。


だけど…あたしはきっと、救いようがないぐらいの大馬鹿者だから…。

だけど…それでも譲れないないものがある。


「きょうだけ…今だけですよ。優花先輩。約束してください。先輩の彼女は…あたしだけですから」