放課後。先輩と2人で校門を潜ると

「あっ…」


「来ちゃった…」


エヘッと、舌を出して笑う優花先輩がいた。


「お前なぁ…いい加減にしろよな」


呆れ顔で言う先輩に、優花先輩は「仕方ないじゃん…まだ好きなんだから…」切ない瞳で見つめて言った。


どうして…この人は、こんな事ができるんだろう?


「ヒカリちゃん」


ボーっとした頭で優花先輩を見ていたら、名前を呼ばれた。


「なんですか?」



戸惑いながら聞くと



「きょうだけ…直哉をわたしに貸して」



真っ直ぐな瞳で言われて、あたしの心は激しい動揺を感じた。



「お前…なに言ってんだよ!?俺は物じゃねぇ~し!お前と2人で話すことなんて…」


「お願い!一度だけでいいから。今日だけでいいから」



優花先輩の先輩を見つめる瞳が、またあたしの心を締め付ける…。