そして、きょうの昼休み。窓から校庭を眺めて先輩がいないか探していた。すると、

「ヒカリも告白してみれば」

と、そんな言葉を軽く言って話しかけてきたのは、高校入学して初めてできた友達。


坂本 美空(みく)

仲良くなったキッカケは、先輩だった。

先輩を初めて見た日からずっと先輩の姿を目で追っていた。

 先輩に出会ってから一週間後。この日も、げた箱の前の廊下で誰かを待つ振りをして先輩を待っていた。

 先輩の姿が見られただけでそれで良かった。

 そして、見えてきた階段を降りてくる先輩の姿。その姿を目で追いながら、顔は赤くなり心臓は激しく波打つ。

 そんなあたしの耳に聞こえてきた言葉。

「へぇ。あなたもあの市川先輩が好きなんだ」

ドキッとして、声が聞こえてきた方を見ると、ニコッて笑う女の子。それが、美空だった。