この公園には、あたし達以外誰もいなくて。


大きな桜の木一本と、小さな花壇に色とりどりの可愛い小花が咲いていた。


「可愛い」



花壇の前にしゃがみながら、小花を眺めていたら


突然、後ろからフワッと抱きしめられて、思わず体に緊張が走った。



「せん…ぱい?」



やだ…どうしよう。凄くバクバクするよ。


先輩は、無言のまま。あたしを更にギュウと強く抱きしめた。



「せんぱ…い。くるしい…です」



そんなに抱きしめられると…ドキドキし過ぎて、息出来なくなっちゃうよ…。