「ヒカリはどんな曲が好きなの?」
なんて聞きながらショップ内をウロウロする先輩の手には、さっき試聴したCDが握られていた。
「あたしは、NAMIKAが好きだなぁ。キュンとくる歌詞が好きぃ」
NAMIKAは、透き通るぐらいの伸びやかな歌声で、心に染み渡るような恋の唄を中心に歌っている。
今、注目のシンガーソングライターなんだ。
「俺もNAMIKA好きだよ。“LOVE”って曲が特に好きだなぁ」
「あたしも!あたしも“LOVE”が一番好き」
嬉しい。“LOVE”は、NAMIKAが男の子目線で作った曲で
ーーもしも 悲しみで 君の胸が深い暗闇に包まれても
僕が 君の心を抱きしめるから
君は 僕を信じて
君を 僕が守るから
愛してるーー
そう歌うNAMIKAの歌声をよく聴いては、いつかは、先輩にこんな風に「愛してる」なんて言われたらいいなぁ…なんて。
憧れていた曲でもあるんだ。