俺は、柚舞からの手紙を片手に、柚舞が俺に病気の事を話してくれた病院の屋上に向かった


《蒼人へ》


封筒には、柚舞の字で自分の名前が書かれていた

久しぶりに見る柚舞の字


もうこの字は、見れない

そう想うと、柄にもなく涙が溢れてくる


「柚舞
開けるな」

俺は、空に向かってそう言ってから、封筒を破らないように、丁寧に封を剥がす


中に入っている便箋には、柚舞の綺麗な字が並んでいる

柚舞は、手紙を書きながら泣いたのか、所々涙の跡があった


「柚舞
読むな」