「蒼人…?」

弱々しくて

でも、どこかしっかりした柚舞の声が耳に届いて


柚舞の方を見ると、俺の顔をマジマジと見ている


「ん?
どうした?」

「蒼人
何でそんなに悲しそうな顔、してるの?」

「そんな事ねぇよ」

「ううん
してる」


そう言いながら、柚舞は起き上がり手を伸ばして俺の頬を触る


やっぱ、柚舞にはすぐばれるな

そう言えばこいつ、人の心情の変化に敏感だったっけ


「俺な、柚舞が居なくなるかと思った
絶対にそんな事ねぇのにな」

そんな俺の弱々しい言葉にクスッと笑った柚舞は、頬にあった手移動させて、俺の頭を撫でる


「大丈夫
あたしは、どこにも行かないよ?」


そんな柚舞の行動は、普段なら恥ずかしいはずなんだけど、今の俺には心地よかった