・・・・そんな生活で2年の時が過ぎた。         
夏休み真っ盛りで、父は、海に近い親戚の家に絹代と母を残して、他の子供全員を遊びに連れて行ってくれていた。
「スイカ割り楽しかったなあ・・・」「楽しいよりウマかっただろ」「ねね、夜は花火やりたい・・・」「よし!金田商店行って花火買ってこようか。明日、もう帰るんだし・・・」「ほんと!」「やった~」子供らは、短いけど楽しい夏旅行を楽しんでいた。
・・・「田島さん、田島さん、奥さんから電話よ。」「・・・あ、はい。・・・かん太、花代、花火買ってこい」「は~い」・・・花代姉さんたちは、凄い早さで花火を買ってきて庭で火を灯しはじめた。「こういう時は、花代姉さん動きが早いよね~」「ホント、あっという間に買ってきたなあ。」「何?そんなにいうなら、やらせないよ!」「ごめんごめんよ、線香花火ちょうだいよ~」「どうしようかなあ・・・」「ええ~ちょうだいよ~」・・・・イネは電話口の父から目が離せなかった。
・・・しばらくして、花火で盛り上がってる中に父が戻ってきた。無言で線香花火をジッとみている父にイネは、話かけることができなかった。