「検査の結果がでました。」「・・・はい」
・・・「しばらくは、通院で様子をみましょう。・・・くれぐれも無理をなさらないように。」・・・医者の説明が終わると、母は、退院の荷物をまとめ、長くは、ここにいたくないと言わんばかりに、急いで病院を後にした。
・・・・バスを乗りついで、ゆっくり歩きながら絹代をつれて、母が帰ってきた。「・・・絹代ねえちゃん!大丈夫?」「心配したよ」「・・・ありがと」「みんな、絹代は、ちょっと、病気を治すのに時間かかるけど、必ず元気になるから、いろいろお手伝い頼むよ」・・・帰ってきたものの、寝るのも、食べるのも、絹代だけ別の部屋で過ごすようになった。「ねえねえ、なんで、絹代姉ちゃんだけ一人でご飯食べるの?かわいそうじゃん。」「一人で食べると病気が治るんだって」「・・・ふ~ん。でも淋しいねえ」・・・絹代は結核を患っていた。母は、他の子供にうつらないように、食べたり、寝たりするのを、別にしていたようだ。