「そう、田原蓮!思い出してくれた?」

「うそっ…何で?」
「戻ってきたんだよ、ここに!」

そこは2人の秘密基地だった
蓮とは生まれたときから隣の家に住んでいた
小学校になるまですごく仲が良くて、毎日一緒に遊んでいた。

でも突然蓮はいなくなった
蓮は…私の初恋の相手だった

「帰ってきた時にはもう、まゆはいなくてさぁ。びっくりしたよ」
「お母さんもお父さんも死んじゃったから」
「うそ…だろ?」
「本当だよ。私のせいで…ね」
「何言ってんだよ…まゆ?」

私はもう我慢できなかった
涙が止まらない…
蓮なら聞いてくれるよね?

「蓮…」
「どうした?」
「私の過去…全部聞いてほしい。もう…苦しくて死んじゃいそうだよ…」
「わかった。俺でよかったら、何でも聞くよ」
私は深呼吸をして
話し始めた



全部話しちゃった…
蓮はどう思ったかな?
私のこと…嫌いになった?
ねぇ蓮…私…

蓮に話してよかった

「つらかったな」
そう言って蓮は抱きしめてくれた
暖かかった
何年ぶりかな?
人の暖かさを感じたのは…

「蓮…聞いてくれてありがとう」
「俺が…
幸せにしてやるよ!まゆの笑顔…昔から大好きなんだよ」