箱を持ったまま、あたしは部屋を飛び出して、 『…リョウ!!』 リョウを追いかけた。 階段を転がるみたいに駆け降りて、玄関に向かうと、 既にリョウは居なくて、 お母さんの姿だけ。 「リョウ君、今帰ったよ」