『…もしもし』
無意識だけど、あたしの声のトーンは下がる。
「悪リィ、今日遅くなる」
…やっぱり。
「会社の奴らと飲み来ちゃってさー」
そう言う携帯越しにリョウの声と一緒に何やら騒がしそうな声と音が一緒にあたしの耳に届く。
「ミキ明日も仕事だろ?」
『…うん』
「先寝ててな」
『…うん』
「じゃ、な」
『…う』
プッ、プー、プー、プー
うん、言い終わる前に切られたし!(怒)
つーか飲み行く前に連絡よこせ!!!(怒)
ご飯また作り損だし!!(怒)
テーブルに置いた、ほかほか湯気の立つ生姜焼きに虚しさを感じる…。
一人でこんなに食えねーし!!(怒)