何か体がふわふわしてる。
周りは、真っ暗。

「ここはどこ?私死んだの?」

─「ここはどこ?私死んだの?」

「誰かいませんか…?」

─「誰かいませんか…?」

山びこのように声が帰ってくる。


ここは、地獄…?

だって天国はもっといい場所でしょ…?


違う?


──小さい頃、絵本で見た天国はもっと真っ白で綺麗だった…。

こんな真っ暗で不気味な場所じゃなかった…。



「…こんな若い子。どうしたんだい?」

魔法使いみたいな帽子を被った、ふさふさの髭のおじいさんが近づいてきた。

「あ、あのここはどこですか?」

おじいさんは、私の質問なんか聞こえなかったように水溜まりを指差した。


「この中をみてごらん…?」
見慣れた教室が移っている。

そこには柚子がいた。

笑顔で私の事を話していた。

でも津浪くんはいない。


「こっちも見てごらん…。」
さっきよりも小さい水溜まりを指差す。