「…。」

私は思わず黙り込む。

きっと見られてたよね…。

津浪くんとのやり取り…。

「あんた泰寿の事好きなわけ?」

柚子は私の事を睨んだ。

一対一の言い合いなんて初めてだ。

「いえ…。」
「じゃあさっきの何?」


「あれは…。」
「泰寿のせいにするんだ?つかどうせざまーみろって思ってんだろ?」

「そんな事…。」

「そんな事何?」


冷たい風が髪を靡かせる。
風があたって頬が少し痛い。

「あんたさ、気付いてんの?うざいし、キモいんだよね。まぢさ、いい加減自覚しなよ!」


柚子の耳についてるフープピアスが太陽に反射して光る。

「だから死んで?」

そう言った柚子は、下を見おろして指を差した。

「ほら、こっから落ちてよ。こんだけ高さあれば死ねるから。」

どんどん、屋上の隅に追い込まれる。

呼吸がしにくい。

「うぜーんだよ。早く落ちて死ね!」

柚子に足を蹴られた。

叫び声が聞こえる。
たくさんの教室がみえる。