「うわーなにコイツきもー!ね。」

また始まった。
毎日、毎日同じ事を言って何が楽しいんだろ…。

「てゆうかお前のせいで、うち彼氏にフラれたんだよねー。どうしてくれんのー?」
私の髪の毛を柚子は、引っ張った。

「…止・…めて…。」

体から絞り出すように、声を出した。

「はぁ?聞こえねぇんだけど?」
「…止…めて…、私の…せい…じゃ…な…い…。」


「お前のせいなんだよ。カスが!」

鈍い音がして、私は壁に頭を打ち付けられていた。

「うちの彼氏がなんて言ったか教えてやるよ…」


「人を虐める女は嫌いだってさ。お前さえいなければうち、虐めなくてすむんだからね?わかってる?」



柚子の彼氏はうちの学校で一番モテてるといっても過言じゃない。

なんていったっけ…。

─…津浪泰寿-ツナミタイジュ-

そうだ…。
そんな名前…。


「黙ってんじゃねぇよ!何か言えよカス!」

柚子は私を殴ろうと、花瓶を左手に持った。