そして上靴をはく。

もう上靴のもとの色がわからないくらいに、『死ね』だとか『消えろ』だとかが書いてある。

もう気になんてしてないけど…。

[2-B]
そう書かれたクラスのドアに手をかけた。


バフ…。


頭の上から黒板消しが降って来た。

クラスの中の生徒が私を見て、クスクス笑う。

机を探す。今日はどこにいったのだろう…。

ベランダに出された机を私は引きずりながら教室に入れた。


昨日雨が降ったから、机はベショベショ。

でも良い事に水性ペンで書かれた、机の文字は消えている。

引き出しのなかには、トイレのモップの頭が入っていた。



このクラスに、この学年に私の味方はいない。


よくテレビで「私は無視をされて虐めにあっています」なんて言う人を見る。

無視?

そんなのいい方だと思う。
私と立場を交換してほしい。

こんな事をされるくらいなら無視をされた方が断然マシだ。

「くっさー。この教室異臭がすんだけどー。」

そう言いながら、虐めの主犯格である柚子が入って来た。

私は思う、お風呂だって入った。歯だって磨いた。
何が臭いのか教えて欲しい…。

正直、私よりあんたの香水の方が臭いよ。って思う。