今じゃ、お母さんが一人で家の生計を立てている。

だからだろう…。

お母さんは変わった…。


ご飯も作らない。
洗濯もしない。
掃除もしない。

家庭の事は全部私がやっている。

そして

仕事で失敗すると、それをぶつける先はいつもいつも私だった…。


─「じゃあ私はもう行くから。」

お母さんはそれだけ言うと、家を出ていった。

私も慣れた手付きで制服を着ると、いつものローファーに足を入れる。

このローファーがシンデレラのガラスの靴だったらいいのに。ってなんど思った事か…。


玄関のドアを開けた…。


また恐怖の1日が始まる。
いつものようにコンビニに行くとイチゴミルクパンを買った。

これが私の1日で最高の瞬間と言っても過言じゃない。

私はそれをくちいっぱいにほうばった。


──来てしまった。

学校に…。
地獄に…。

下駄箱でローファーを脱ぐと、上靴を取り出した。

中に入って画ビョウは23個…。

昨日より1個多い。

私はその画ビョウをクッキーの箱に入れた。

いつかこの箱の画ビョウをあいつの机の中にいれるんだ。

私を虐めてるやつの机の中に。