「ちょっと待って!ねぇってば!」

私はウサギの後を追いかけていた。

さっきから大声で叫んでるのに、あのウサギ、私の声なんて聞いちゃいない。

相変わらず「遅れる!遅れる!」なんて叫びながら走ってる。


そんな事より、このウサギ足速すぎ…。


元々運動が苦手な私は今すぐにでも倒れそう…。

このウサギについてったアリスはすごいよな…。

──感心してる場合じゃないか…。

「そこのウサギ!待っててば!」

一瞬目線を下に落としたせいだろう…。

私はウサギを見失った。

「白ウサギさーん!どこ行ったのー?」



──!

「きゃあーーー!!」

どうやら穴に落ちてしまったようだ。

気付くと私は穴の中にいた。