石の建物の中は意外に広い
よく見ると何ヶ所かに穴があいていて、光りが中に入ってくる

ふっと左手が離された

『ここ、光りの位置で石に光りが反射するんだ…見て』

あいつが指で光りを囲うと四角い模様が出来ていた
光りを見つめていると、あいつが低く囁いた

『これ、前にもみてない?』

動悸がする
私は頭を横にふった 分からない…でも前にもここに来た?

『これも覚えていない?』

あいつの顔が近づいて優しくキスをした

それはこの世で1番、優しい物だった

温かい涙が流れ
あいつは何度もキスをして頭を撫でた