長い階段を登り始めて聞いた

『か…彼女が待っているんじゃないのか?こんな所に居ていいのか?』

あいつは空を見上げて、少し寂しげに

『…べつに』
と呟いた

階段を登りそこには石で出来た大きな建物があった

…私、前にもここに来た事がある
わずかだが、頭の中でフラッシュバックした
そして眩暈のように一瞬ぼやけた

何だろうこの感覚

立ち止まっていると、あいつが左手を引いた

『どうした?中に入ろう』
心配そうな顔で見つめてくる

『…なんでもない』
私は歩きだした