かいとの手がうちの手を包む。
とってもあったたかった。
まるで・・ゆうじみたいだった。

「理由なんてないよ。
ただ・・なんとなく。」

嘘をつくのは苦手な方だけど、
知らない人になら、
平気で嘘がつける。

「ふーん」

かいとはそう一言言うと、
どこかへ歩いて行った。

「なんだよ・・もう帰ろう・・」

うちは独りで呟いた。

どうせうちは、
誰にも相手にされないし、
誰にも必要とされてない。

そんな事を思いながら
何も買わずに外に出た。