その人物は紛れも無くかいとだった。

「どう・・して・・」

また涙が流れた。
本当にうちは、
泣き虫だ。

かいとが言った。
「お前はバカか・・」って。


悲しそうな表情をしたまま、
うちを見つめた。

かいとの瞳から、
目をそらせなかった。


「お前・・死ぬってことがどんな事か分かってる?」

うちは黙り込んだ・・
かいとの目は未だに悲しそう・・


かいとは続けた。

「死ぬってことは、
もう誰にも逢えないんだぞ?

逢いたくても、逢えない。
声聞きたくても、声も聞けない。

たった一度人生の選択を
間違えたからって、
簡単に死のうとか思うなよ。

世の中にはなあ、
生きていたくても、
死んでしまう人も居るんだよ。

お前はまだ生きることに
意味があるんだよ。

ゆうじに振られたからって・・

簡単に死のうとか思うなよ!!!」


かいとの目が優しい目に変わった。