「おはよ!」
教室に入り、私は絵理に挨拶をした。
そして、今日書いたプロフィールを渡した。
「ありがとう!」
絵理は嬉しそうに受け取り、
その紙を専用のファイルに閉じ込んだ。
私以外にいろんな人にも書いてもらったみたいだ。
「そんなの集めてどうするの?」
世界はもうそろそろで崩壊するのに。
絵理はファイルを閉じ、大事そうにカバンの中にしまった。
「最後の日に見返そうと思って。」
最後の日、それは地球崩壊の日を示す。
まだ正確な日付は定まってないが、
いずれこの町にも伝わるだろう。
皆、いつもと変わらない日常を過ごしているが、
いつもと変わったこと―それは最期に向けて自分ができること。
それは中学生の私たちに将来の夢をすぐに叶えろと言われたようなものだ。
「アイカは家族だんらんかぁ〜。」
カバンの中からこっそりファイルを見る絵理。
「見るな〜!」
「あはは、ごめんごめん」
絵理は笑いながらカバンのチェックを閉めた。
チャイムが鳴って、私は自分の席に着いた。