仲良しなところには文句はない。
―が、彼は何かを忘れている。
いや、知らないふりをしているのかもしれない。
そんなのこの世界には通用しない。
だって、皆、知っている。
こんなド田舎でテレビなんかない町には新聞や町長町会で町民にそのことが伝えられた。
そんな馬鹿な、私の率直な感想だ。
しかし、新聞では政治家とか世界中の偉い人が議論している写真が載っていた。
新聞なんて読まない私は祖母の話によって知ったけど。
「地球、最後なんだってさ。」
祖母はコタツに入りみかんの皮を剥きながら昼ドラの次回予告を話すように喋る。
「半年後、地球は崩壊するだってさ。
地球温暖化だのなんだのって、とうとう地球にヒビが入ったらしい。
そのヒビは刻々と広がっている。
最近、地震が多いだろ?
きっとそのヒビのせいだ。
まっ、私には興味ないがな。」
まるで他人事のように言う祖母の話に私は危機感が持てなかった。