「だって、私、学生の頃、ノボルのこと好きだったんだもん。」

「えー!そうだったの?」

「笑えるでしょ?今まで黙ってたけど。」

「知らなかったよ。私何も知らずにいっぱいミユに相談してたのに。」

「相談受けてる間に、好きになっちゃっていうか。これもよくあるパターン。自分とハルナを同化しちゃってたのかもね。」

「ごめんね。」

「もう、謝らないでよー。結局、私はノボルをあきらめたおかげで今の旦那と巡り会えたんだから。」

「そうなの?」

「そうだよ。結局、縁のない人とはつながらないし、つながらないおかげで縁のある人とつながるんだって、つくづく思ったわ。」

ミユはほほえみながらコーヒーを飲んだ。

ミユの周りには幸せオーラがあふれていた。

縁のある人と結婚したからこそ、あふれでる空気。

そういう人を選ぶには、きっと勇気も決断力もいるんだね。



「ありがとう。今日は話聞いてくれて。」

私はミユに頭を下げた。

「おやすいご用よ。大好きなハルナのためなら、いつでも時間空けるって。」

ミユに出会えた私は幸せだとつくづく思った。

彼氏とか恋人とか、悩みはつきないけど、結局はこんな女友達の存在が一番必要だったりするんだ。

そんな存在がいると思うだけで、強くなれるような気がした。