そんなことを思った瞬間、またものすごい空虚な気持ちが襲ってきた。

今は一人じゃないはずなのに、いっそう一人ぼっちが際立つような。

不安な気持ち。

「あれ、怒った?」

タツヤの声に、現実に引き戻される。

「別に。なんでもない。」

「日本酒、何飲む?」

「とりあえず久保田。」

「はは、とりあえずって。」

タツヤは笑いながら、店員さんを呼んだ。

私に確認しながら、メニューを注文していく。

タツヤのメニューのセンスは、結構私好みだった。

飲みなれてるね。

っていうか、女の子の扱い手馴れてるタイプ。

お互いの日本酒が運ばれてきた。

とりあえず乾杯。

タツヤと二人で乾杯って。

なんだか急にぎこちなさを覚える。

で、ちょっとこっぱずかしい気分。

柄にもないんだけど。

妙な沈黙が耐えられなくて、切り出した。

「で、何があったの?」