熱っぽい体を奮い起こして、着替える。

そして、化粧。

顔つきもなんだかさえない。

化粧ののりも悪いし。

単なる年齢のせいともいえないほど、肌ががさがさしてる。

絶対発熱してるよねぇ。

軽くため息をついて、口紅を塗った。

私もなんでここまでして、タツヤと会わなければならないんだろ。

いくらアユミが絡んでたって、一日話聞くの伸ばすくらいどーってことないじゃない。

すべての用意を終えて、ベッドの上にどっかり腰を下ろした。

座るや最後、お尻から根っこが生え始める。

思わず携帯を開いて、タツヤの番号を押しかけた。

そして、その手を止めた。

今頃、タツヤは大慌てでこっちへ向かってるはず。

いくらなんでもかわいそすぎるよね。

それなら、電話があった時点で断ればよかった話だもの。

生え始めた根っこをブチブチと絶って、「よいこらしょ!」とかけ声をかけて立ち上がった。