アユミは頬を紅潮させて、目をキラキラさせて言った。

「もちろん、ハルナと水口さんカップルと私とタツヤカップル!」

・・・。

そうきたかぁ。

ってことはさぁ、私と水口さんが付き合ってるってタツヤに言っちゃうわけ?

まぁ、別にいいけどさ。

ちょっと前まで、元彼に振られて落ち込んでたのを知られてるだけに、なんていうか、軽い女に見られそうなのがつらいけど。

いや、それよりも水口さんはそういうのどうなんだろ?

ダブルデートなんて、若い子達がやるもんであって、30代カップルがうれしがってやってる図なんて見たことないし。

そうそう、水口さんにまず聞かないと。

「そうかぁ。そうだよね。まずは水口さんにそういうの大丈夫か確認するのは正しいわ。」

アユミも残念そうな顔をしながらも納得してくれた。

「でもさ、タツヤには私と水口さんが付き合ってるってこと言うわけ?そんでもって、どうやってダブルデート誘うのよ。」

気になる。アユミがどういう口実で誘うのかが。

「私の方は、ハルナが水口さんと付き合うか迷っているから、一緒に見てあげない?ってタツヤを誘うわけ。んでもって、ハルナは水口さんに、私がタツヤのこと気になってるから、そういう口実でダブルデートしてあげてって頼んでもらうわけ。」

なになに?

込み入ってるけど、それぞれに理由つけて、誘うってこと?

「結局、アユミがタツヤとデートしたいってだけじゃないの?」

私は半分あきれ顔で言った。

「そ。そういうこと。」

アユミは肩をすくめて、恥ずかしそうに笑った。

もぉ。

でも、いつもお世話になってるアユミのためだから、今回は骨を折るとするか。


タツヤは、水口さんと私のこと、どう思うのかなぁ。