「やっぱ好きだなって再確認したっていうか。」

少し安堵した。

何に安堵っていうか、アユミが何かされたとか、言われたとかじゃないことに。

だって、ほら、やっぱアユミは友達だから、軽薄な男にもてあそばれるようなことだけはされたくないわけで。

「そうなんだ。二人で飲みにいっていろんな話できた?」

「うん。タツヤって、ずいぶん前から付き合ってる彼女いたっていってたけど、最近別れたらしいよ。」

「そうなんだ。」

初めて聞くふりをした。

やっぱその話、アユミにもしたんだ。

「で、今は誰とも付き合ってないって?」

「うん。そうみたい。ちょっと気になる人はいるみたいなことは言ってたけど。」

「気になる人?」

「うん、だけど、その人の気持ちがよくわからないから、踏み出せない、みたいなこと言ってた。」

ドキドキする。

まさかね。

そのまさかを払拭するべく、あえて明るくアユミに言った。

「もしかしたら、その人って、アユミだったりして。」

アユミはうつむいて少し笑った。

へ?

まさか、アユミもそう思ってた??

「うーん、わかんないんだけどね。だってさ、今まで二人で飲みに誘われたことなんてなかったし、タツヤもいつになくテンション低めで緊張してたから、ひょっとして、それもありかも・・・?なんてね。」

ここで、本当なら笑って、「きっとそうだよ!」って言うべきなんだろうか。

言うべきだと思うんだけど、なんだかすっきりしなかった。

タツヤがアユミ・・・?

っていう可能性はどれくらいあるんだろ。

だったら、私を先に誘うんじゃなくて、アユミから誘えばいいじゃん。

そんな単純なものではないわけ?