そして、私はその日も居心地のいい眠りについた。


金曜日。

残業もそこそこに切り上げて、アユミと待ち合わせしたイタリアンのお店に向かった。

「ごめんごめん、待った?」

アユミはすでに席に座ってお水を飲んでいた。

「いいよー。だってハルナはいつも忙しいもんね。私とは違ってキャリアウーマン。」

アユミはいたずらっぽく笑った。

「二人だったらいけるよね。ワイン一本」

「いけるにきまってるじゃん。」

私たちは顔を見合わせて笑った。

久しぶりにこうやってアユミと食事しながらお酒飲んでしゃべったような気がする。

すごく楽しかった。

たわいもない話題で盛り上がって、おなか抱えて笑う。

こんなに笑ったのも久しぶり。

ノボルに振られてから、あんまり笑ってなかったもんな。

もつべきものは、やっぱり友達だね。


「で、アユミの話って何よ。」

私から切り出した。

アユミは少しだけ緊張した面持ちになった。

「え、いやー。勘のいいハルナなら、なんとなくわかってるでしょ?」

うん、なんとなくだけど。

「タツヤ・・・のこと?こないだ二人で飲みにいったんでしょ?」

タツヤって言葉を出したとたん、なんだか後味の悪いお酒を飲んだような、おなかの中心がキューって痛くなるような気持ちになった。

よくわかんないけど。

「うん。そうなんだ。あの日飲みに言っていろいろ話しててさ。」

人の話なのに、ドキドキする。

何かあった?アユミ。