「僕自身もよくわからないんです。こんなこと言ったらすごく軽率に感じられるかもしれませんが。このまま、ハルナさんとこれっきりっていう状態になるのが怖かったっていうか。すみません、こんなことしかいえなくて。」

でも、私には十分だった。

水口さんの話す表情や言葉のつなぎ方・・・精一杯、本心を語ろうとしてくれているのがわかったから。

「運命が本当にあるのかどうかは、私にはまだよくわからないですけど、でも本当にあるのだとしたら、私もその運命っていうものを感じてみたいです。こんな私でよかったらよろしくお願いします。」

体十が熱く火照っていた。

こんな素敵な水口さんに交際申し込まれるなんて、夢みたい。

夢見心地のまま、私は水口さんとお付き合いすることを決めた。


結婚前提・・・それはまだピンとこない言葉ではあるけれど。

前提は、あくまでも前提。

その間に二人の間に何かあれば、結婚はなくなるってこと。

結婚を決めるまでのお試し期間的な意味合いの前提。


それでも、数ヶ月前にノボルにふられたばかりの私には、

こんな状況が訪れるなんて、思いもしなかったことだった。


数ヶ月前は、神様なんていない!って思ったけど、

ひょっとしたらいるのかもしれない。

そして、「運命」っていう出会いも、存在するのかもしれないって思い始めていた。


恋って、全く自分勝手なものだ。