でも、こんなすてきな人が私にモーションかけてくるなんて、

やっぱり信じられない。

私は微妙な笑いを浮かべて、その紙切れをそっとバッグにしまった。

水口さんはそれを確認すると、少しうれしそうに笑って、またビールを飲んだ。


久しぶりに出た合コンは変な感じだった。

私が知ってる合コンとは、違っていた。

いつもは、うんざりした気持ちで家に帰っていってたのに、

今回は、ふわふわとした夢見心地な気分。


私にもいよいよモテ期到来ですか?!

30代。

捨てたもんじゃないかも。


家に着いてから、何度も水口さんの携帯番号を眺めた。

でも、結局かけられなかった。

もう少し。

もう少しだけ、自分の気持ちを落ち着けよう。

そして、やっぱりもう一度水口さんに会いたいなって思ったら、この番号にかけてみよう。

急いては事をし損じる・・・・だもんね。