「っていうか、もし、今度お食事でもって誘ったら来てもらえる?って聞くべきだったか。」

ドキン。

顔がかーっと熱くなる。

嘘でしょう。

きっと水口さんは私をおちょくってるだけだ。

私は慌てて、無理矢理作り笑いをした。

「あはは、水口さんも冗談ばっかり。」

水口さんは少しまじめな顔をした。

「冗談じゃないよ。」

そして、そう言いながら、小さな紙切れを私の手の中にそっと入れた。

へ?

思わず、他のメンバーをちらっと見やる。

相変わらず若人たちは何かの話で盛り上がって、こちらのことなんか気にも留めてない様子だった。

気づいたら、水口さんと私、二人の世界になってた。

小さな紙切れをテーブルの下でそっと開けると、携帯番号が書かれてあった。

「あの、これ?」

水口さんに聞き返す。

「いい年してこんなこと、なんだかこっぱずかしいけど。もしよかったらいつでも連絡してほしいな。」

「・・・。」

「こんなこと、誰にでもするように見える?」

正直見える。

だから、私も正直にうなずいた。

水口さんはうつむいて笑った。

「こんな恥ずかしいこと、滅多にしないよ。正確には今回を入れて、生涯に二度かな。」


かっこよすぎる・・・・・・

私のどきどきは最高潮だった。