更衣室にも寄らず、制服のままエレベーターに飛び乗る。

久しぶりに息が上がってる。

誰も乗っていないエレベーターの中で一人呼吸を少しずつ整えていった。

私は・・・

タツヤと会って、何て言えばいいんだろ。

深呼吸をした。

エレベーターの扉が静かに開く。

さすがにこの時間にもなると、人気は少なかった。

ロビーに隣接する本屋も既にシャッターを下ろしている。

そのシャッターの向こうに少しうつむいて立っているタツヤがいた。

少しこけた頬。

手入れのしていない前髪。

よれよれのワイシャツにネクタイが無造作に首に巻き付いていた。

タツヤって、こんなだったっけ。

この人がタツヤ?

思わず、歩みが止まってしまった。

魂が抜けてしまったようなタツヤの姿にショックを受けた。

立ちつくしている私の方に、ようやくタツヤの視線が向いた。