時計を見る。

21時半が限界かな・・・。

タツヤとの縁もここまでってわけか。

長いため息をつきながら、どうしようもない寂しさがこみ上げてくる。

つながらない人とはそれまでなんだってわかってるけど、

もう一度だけ会いたかった。

私はまだタツヤに何もしてあげれていない。

タツヤには結局いつも助けてもらうばかりだった。


タツヤは実家に帰ってしまう。

そうなったら、きっともう二度と会えない。

そして、私は、ナオと結婚するんだろうか・・・。


その時、パソコンに『受信通知』が点灯した。


急いでメールを開く。


タツヤからだった。

間に合った・・・?!


『まだいる?』

すぐに返信を打つ。

『いるよ』

『まだ帰れないけど、今から少しだけ休憩とれそう。1階ロビーにどう?』

『了解』

私は慌てて机上を片付けてパソコンの電源を落とした。


上司は半ばあきれた顔で私を見ている。

「もう大丈夫なのか?」

「はい、遅くまですみません。お先に失礼します!」

私は走っていた。