いつの間にか、私を残して、色んな変化が起こり始めていた。

私の時間だけが止まったままだ。

自分だけ何の変化もなく、周囲に取り残されていってる。

アユミ。

そっか、ユウタと。

でも、それは私にとってはとても嬉しい変化だった。

ユウタは優しいやつだし、きっとアユミとうまくいく。

今度こそ、アユミの幸せを祈ろう。


なんて、悠長なことを考えてる場合でもない。

タツヤ。

まだ上海にいるの?

無理だとわかっているのに、思わずタツヤの携帯に電話をかけていた。

『留守番電話サービスです』

その声が聞こえると、すぐに携帯を切った。

その直後、携帯が鳴る。

タツヤ??!

「タツヤ?大丈夫?」

私は着信も確認せずに緊張した声で出た。

携帯の向こうでしばらくの沈黙。

「ハル?僕だけど。」

その声は、タツヤではなかった。

昨日一緒に過ごしたナオのものだった。