「あいつらしくないミス犯しちまって。どうなっちまうんだろうな、タツヤ。」

ユウタは心配そうに自分の携帯をチェックした。

未だに誰も連絡はとれない。

きっと上海で、上司と会社を回って頭を下げまくってるんだろう。

こんな失敗、取り返しがつかない。

どんなに謝ったって。

本当にタツヤはどうなっちゃうんだろう。


アユミと目が合う。

「ハルナ、大丈夫?」

相変わらず、私を気遣う優しいアユミ。

こんなにも、今、アユミに支えられるとは思いもしなかった。

「アユミ、ありがとう。大丈夫。アユミは?」

アユミはいつもみたくにっこり笑った。

「私は大丈夫。」

そして、意味ありげにちらっとユウタに視線を送った。

え?

もしかして、ユウタと・・・?

そういうこと?!


「何かわかったら、また知らせるよ。」

ユウタは真面目な顔で私に言った。

「うん、ありがと。」

そして、私は何となくアユミの視線の意味を察して、二人とそこで別れた。