「ごめんごめん。」

「は?ごめんごめんって、俺やっぱ適当にあしらわれすぎじゃない?」

「そんなんじゃないよ。」

「年下だから?」

少し真面目なトーンでタツヤが言った。

違うよ。

そういう風に、私はタツヤを見たことがなかった。

年下のくせに生意気だ、なんてよく言ってたけど、私の中ではいつも対等な存在だった。

だからこそ、タツヤの一つ一つの言葉に過敏に反応していたのかもしれない。

「生意気なやつだとは思ってたけど、タツヤのこと、年下としてあまり見たことないんだ。実は。」

タツヤは首をかしげて苦笑した。

「それより、タツヤこそ私を都合のいい時だけ年上扱いしてくれるじゃない。」

「だって年上だもん。」

タツヤはいつものようなふざけた表情で笑った。

「ほんと、腹が立つ。」

私もマッコリを片手に笑った。

変なの。

さっきまですごく緊張感の漂ってたのに、すぐにこんなにも柔らかい空気に戻ってしまう。

「ところで、ねーさんのフィアンセってどんな人なの?」

タツヤはふいに聞いてきた。