時計を見ると21時過ぎだった。

「もうこんな時間だよね。」

まさか自分からナオの家に戻りたいなんて言えるわけがない。

「帰る?」

ナオは前を向いたまま聞いてきた。

正直、この居心地のいい時間をもう少し満喫していたかった。

でも、きっとこのままナオの家に戻ったら・・・

たぶん、そういうことになるよね。

きっと。

ナオもわかってて、私に聞いてる。

「今日は家まで車で送るから、もう少しゆっくりしていく?」

暗がりの中、ナオが勇気を出して言ってるのがわかった。


誰かが言ってたっけ。

男と女の本当の相性は、関係を持たないとわからないって・・・。


「じゃ、もう少しだけ。」

私もつぶやくように答えた。

二人はなんとなく家に着くまで何も話さなかった。

心臓がばくばくしてる。

きっとナオも?