「どうして、そう思うの?」

聞いてみた。

「なんでだろ。時々ハルが遠くに感じる。」

そう。

いまの私にはその言葉に反論できなかった。

だって、半分はタツヤに気持ちがあるんだもの。

ひどいよね。

本当にひどい。

でも、今日はナオと真剣に向き合っていたい。

本当に誰を愛してるのか。

まだ私も自信がないから。

「付き合いだしたきっかけだって、いきなり僕からの結婚前提でっていうかなり強引なところがあったし、冷静に考えたら無茶苦茶だよなぁって。ハルもよく付き合ってくれたよって思うんだ。」

「ん。私もこんな風に付き合ったのは初めて。だけど、思い切れたのは、私がその時にナオにとても魅力を感じていたからだよ。」

ナオのとても大人な色気を感じずにはいられなかった。

それは、今も続いている。

「本当に?」

ナオがうれしそうな顔で聞いてきた。

「それは本当。」

「じゃ、思い切って告白してよかったわけだ。」

私は笑った。


そして二人で少しほぐれた緊張の合間に飲み物を飲んだ。

「僕は、日本にいるあと2ヶ月の間に、もっとハルのことを知りたいって思ってる。そして、ハルにも僕のことを知ってもらいたい。」

ナオの表情はいつになく真剣だった。

「うん。」

私はうなずいた。

ナオはゆっくりと私を抱き寄せた。

もう一度、キスをした。