着信は俊輝からだった

まだ鳴り続けている

私は電話に出た

「・・・もしもし」

コンコン!!

「綾っ!?何で逃げるんだよ!!」

二重で声が聞こえる

ずっとドアを叩く音が聞こえる

きっと壁の向こうにいるんだ・・・

「綾・・・ごめんけど
 ここ女子トイレだから
 入れてくんね?」

そうだった!

私はドアを開けた

その瞬間

俊輝はいきなりキスをしてきた

「・・・ん・・・あ・・・」

舌を絡ませたりして私は床に座り込んだ

「はあ・・・」

唇を離して俊輝は私の体を包んだ

「俺は綾の中学の頃のこと知らないけど・・・
 本当なのか?」

そんなこと聞かないで・・・

どうせ心の中で引いてるんでしょ?

私のこと嫌いになったでしょ?

体が震える

「本当・・・なんだ・・・
 引いたでしょ・・・」

軽い発作でうまく話せない

俊輝は強く強く抱きしめた

「引いてない」

「け・・・軽蔑してる・・・でしょ?」

「してない」

俊輝はまたキスをして

強く抱きしめてくれた