「俊輝・・・帰ろっか」

俊輝はやっと体を離し

教室を後にした





「もう俺達カップルなんだよな?」

私は頷いた

「もうキスして悩まなくていいんだよな?」

私の顔がにやけてくる

「綾・・・大好き」

俊輝は私の手を握り

いつもよりゆっくり足を進ませた

「私、こういうの初めてなんだ・・・」

俊輝は首を傾げた

「“彼氏”っていうのも“恋人繋ぎ”っていうのも
 “キス”っていうのも・・・
 全部俊輝が初めてなんだあ」

私の言葉に俊輝はびっくりしている

「そうなのかっ!?」

「私、恋愛とか経験薄くて
 これからもたくさんの初めてを
 経験していくと思うけど・・・」

私は一度言葉を止めた



「全部全部俊輝が初めてだといいな」



私は一人でにやけながら

俊輝に笑いかけた



「現実にしてやるよ
 俺が綾の初めてを
 いっぱい経験さしてやるよ!」