教室にはまだ誰も来てなくて
私達はゆっくりと話すことが出来た
時間が過ぎて
生徒達も一斉に入ってきた
もちろん俊輝も・・・
「おはよ」
俊輝は私と伊織に小声で言った
「お・・・おはよう」
やっぱり俊輝を見ると
ドキドキして私の鼓動が早まる
キーンコーン―――・・・
チャイムが鳴り騒がしいクラスも
一気に静まり返った
担任があがってきて
いつもの授業が始まった
「綾・・・」
俊輝が小さな声で私を呼んだ
「何?」
私は俊輝を見て尋ねた
「これ・・・」
俊輝は私に小さな紙切れを渡した
“今日の放課後話がしたい”
俊輝の字で書かれた
たった一行の手紙だった
“私も話がしたい”
私はそれだけ書いて俊輝の机に置いた
俊輝はすぐに紙をまわしてきた
“教室に残ってて 伊織にも内緒な”
私は俊輝を見て頷いた