「どうなのよ」

伊織は私の顔をのぞいた

「昨日の夜ね・・・」

私は昨日の俊輝の

キスのことを伊織に話した

伊織は何も言わずに

ただ静に話しを聞いてくれた

「それってさ?俊輝も
 綾のことスキってことじゃないの?」

「えっ!?」

私は目を大きく見開いた

「キスってスキな人にしかしなくない?
 スキでもないのにするかな・・・?
 綾も俊輝もほんと自分の気持ちに
 気付いてなさすぎるよ!!
 お互いスキかも知れないのに
 全然気付いてないんじゃ損だよっ!」

伊織の優しい声に私はうなずいた

「でも・・・俊輝最近彼女と別れたんだって・・・」

「はっ!?そうなの!?」

伊織は大きな声を出した

「なんか・・・うん
 別れたんだって・・・
 だから私のことなんて
 そんなすぐにスキになるわけ・・・」

私がこんなにネガティブ思考だったなんて

全然思わなかった

私はうっすらと涙をうかべながら

下を向いた

「う~ん・・・わかんないよお!!」

伊織は頭をかかえた

「私もわかんない・・・」

私はバックをあさった

そこには昨日私が喫茶店でむせた時

貸してくれた俊輝のタオルがあった